2022年 一般部門 グランプリ

時の重なり

撮影者
齋藤 利奈 様
審査員コメント
写真を見た瞬間にドキッとしました。
おそらく、宮古島のフォトコンテストでこのような作品を見ることができると思っていなかったからだと思います。
宮古島のイメージにとらわれず、撮影者自身の視点で切り取られた作品だと感じました。

このシチュエーションは、アングルによって全くイメージの異なる写真になると思います。
真俯瞰で構えて適度な距離をとることによって、サンゴの広がりを効果的に捉えています。
派手さはありませんが、シャッターを切る前から編集、提出にいたるまで、全ての工程において丁寧に作られた作品だという印象を強く受けました。

「時の重なり」というタイトルにも、作者の視点が表れていていいですね。
僕だったら、ついつい目に見えるものばかりを意識して、「画面をサンゴで埋めよう」と思ってしまいそうです。
おそらく作者は、葉状サンゴの重なりを目の前にして、悠久の時間の流れに思いを馳せたのでしょう。ここまでの規模になるまでの時の重みだけでなく、左端の空間に、未来を感じました。
自然の重みと水中写真の面白さ、そのどちらもが詰まった作品です。
撮影者コメント
この度はグランプリに選んでいただき、ありがとうございます。
パラオハマサンゴは、年間僅か0.3〜2cmほどしか成長しないといわれています。
私の背丈よりも大きなこのサンゴは、おそらく想像を絶するほど長い年月を、ここで生きたのだと思います。
すぐ近くでは海水温の高さに耐えきれなかったサンゴたちの白化が目立つ中、このパラオハマサンゴは静かにひっそりと、しかし力強く命を積み重ねていました。
印象的な海の姿をご案内くださった、Fish a go go!の皆様に感謝いたします。
利用ショップ
Fish a go go!
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